前項の(コップの折り方)とそっくりな折り方から始まるも、まったく似て非なるものがあります。写真に見ていただくと、…「コップ」の方は、その(斜めの辺の目安点が、1:√2)となっているのに対して、この似るも異なる折り方では(目安点は、1:1)と単純です。
では右は何かと言えば、これは(アメリカ方式の“正5角形”折りの目安)なのです。さて(正5角形)という図形の作図は、決して単純なものではなく、まあ大胆な言い方をすれば、「近代の幾何おりがみの出発点は、正5角形の正確でやさしい作図法の追求」だったとも言えると思っていて、そしてこの課題は「決着がついている」と、はっきり納得するには至っていないようにも思えますが、…
しかしそんな中で(1:1の目安点)から折る(アメリカ方式の正5角形折り)は、これが近似解(*)であっても、現時点で最善のものだと思っています。
左が「コップ」の折り出し。では右は? |
では右は何かと言えば、これは(アメリカ方式の“正5角形”折りの目安)なのです。さて(正5角形)という図形の作図は、決して単純なものではなく、まあ大胆な言い方をすれば、「近代の幾何おりがみの出発点は、正5角形の正確でやさしい作図法の追求」だったとも言えると思っていて、そしてこの課題は「決着がついている」と、はっきり納得するには至っていないようにも思えますが、…
アメリカ方式の「正5角形の作図法」 理屈の上ではわずか誤差があるので、一応 は(近似解)なのだが、現実に折るとき、 それは途中で吸収されてしまう。 |
これを私に教えてくださったのは、(OrigamiU.S.A.)の前身「ニューヨーク・オリガミセンター」が発行していた、季刊新聞「ジ・オリガミアン(The Origamian)」の編集長であった、アリス・グレイ(Alice Gray)さんでした。
* 理論的に(正)となる(正5角形の作図法)は、今から100年以上前の1905年に、インドの数学の先生、T・スンダラ・ロウ(T.Sundara Row)さんにより導き出されています。しかし、このように、理論上の精度はおりがみの実際においては生かされない場合は多い。事実このロウ先生の折り方では、神経を研ぎ澄まして折らないと、まったくもって(正5角形)は取り出せない。
このロウ先生の「正5角形の作図法」を、ご著書「折り紙の幾何学(日本評論社)」で紹介された伏見康治先生は、これの改良を試みられ大いに改善されたが…それでもきれいに折るのがかなり難しい。(目安)には、(取り易いもの)と(取り難いもの)とがあり理論的なものでは、どうしてもこの目安が取り難いものが多くなるようです。
つまり、実際には(わずかでも厚みのある紙)を折り、なおかつそれが重なって行くわけで、理論上の精度は、この紙の折り工程で大抵は壊されてしまうのです。だから、始めからこのズレを“誤差”として見込んでの近似解の折りこそいいのではないだろうか。
そんな意味合いにて、私は上記(アメリカ方式の正5角形折り)が(楽しく折れて、なおかつ精度が高い)これが最善だと思っているのです。
* 理論的に(正)となる(正5角形の作図法)は、今から100年以上前の1905年に、インドの数学の先生、T・スンダラ・ロウ(T.Sundara Row)さんにより導き出されています。しかし、このように、理論上の精度はおりがみの実際においては生かされない場合は多い。事実このロウ先生の折り方では、神経を研ぎ澄まして折らないと、まったくもって(正5角形)は取り出せない。
このロウ先生の「正5角形の作図法」を、ご著書「折り紙の幾何学(日本評論社)」で紹介された伏見康治先生は、これの改良を試みられ大いに改善されたが…それでもきれいに折るのがかなり難しい。(目安)には、(取り易いもの)と(取り難いもの)とがあり理論的なものでは、どうしてもこの目安が取り難いものが多くなるようです。
つまり、実際には(わずかでも厚みのある紙)を折り、なおかつそれが重なって行くわけで、理論上の精度は、この紙の折り工程で大抵は壊されてしまうのです。だから、始めからこのズレを“誤差”として見込んでの近似解の折りこそいいのではないだろうか。
そんな意味合いにて、私は上記(アメリカ方式の正5角形折り)が(楽しく折れて、なおかつ精度が高い)これが最善だと思っているのです。
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