きっと皆さん、この名の伝承作品よくご存知でしょう。(下の写真参照) でも私、この造形にどうしても(すずめの姿)が感じられませんでした。 それから(ふくら)という言葉には(福良)の当て字を与えている資料もありますね。
ところで、(ふくらすずめ)という名を昔、母や姉たちの会話の中に聞いた覚えがありました。
すなわち(帯の結び方)あるいは(髪の結い方)の言葉だったように覚えていました。で今回、改めて広辞苑を引いて見ました。すると、まず『肥えふくれた雀の子、また、寒気のため全身の羽毛をふくらませた雀。』との説明の後に、『女の髪の結い方の一』と『帯の結び方の一』ともあって、私の記憶が正しかったことが分かって嬉しかったです。
さてここでは、そんな自慢が目的ではなく、この伝承の造形が、(冬のふとったすずめの子)とは見えず、(髪型)や(帯の結び方)の方が似合うように感じていたのです。
ところでもう一つの疑問は、この「ふくらすずめ」は、実に易しい折り方のものなのに、「かやら草」の記録者、足立一之さんは、なぜ『その折り方がよく分からないので、紹介出来ない。』なんて記したのでしょう? 多分、全然違う造形だったのでは?
「ふくらすずめ」として伝承されて いるものは、この形ですね。でもこ の形にはスズメの姿は見い出せない でしょう。なお、「ふくらすずめ」 の名で紹介されている形にやっこさ んの形をスズメに見立てた2種があ ります。ところがつい先年、岡村昌 夫先生がやっこさんの形を「すずめ 踊り」と題した資料のあることを、 明らかにしてくださいました。 |
「ふくらすずめ」の名で、こんな 造形も伝承されています。なお、 やっこさんそのものを「すずめ踊 り」との見立てのあることは上記 の通りです。 |
どうしてもスズメに見えなかった「ふくら すずめ」を、少しでもスズメらしくしてみよう の折り変えです。「ふくらすずめ」の原型を少 し折り変えるだけですから、折ってみて。 |
左の原型を右のようにしてください。 |
さて、上のような折り変えから、少なくとも雀らしい造形にしてみましたが、でも満足できませんでしたので、さらにくふうを進めて、別伝承の「ふくらすずめ」2形が「やっこさん」からの見立てであったことから、私は今度はやっこさんからの「すずめ」を試みてみました。 その結果が下の写真のもの。これには(足)が付いていますよ。
(やっこさん)からの「すずめ |
「やっこさん」の半分を反転させ、 そこから三角のかどをつまんで折り それを(足)にして、「すずめ」と してみました。なお奴よりさらに1 回(ざぶとん折り)を増やして折る と、嘴が二つになったり、目の表現 が出来たりしますよ。 |
上記説明のもの。 |
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