2019/02/28

羽ばたく飛行機

それは少年時代からの夢でした!

 人間は、いえ私は、少年の頃からずっと、鳥のように空をとぶことを夢見て来た!…そして現代は、そんな夢がどんどん実現されているようです!

 でもそのように、夢がどんどんと実現されるような今の現実を、夢にも思わなかった昔の人間とて、まあ鳥と同じように(羽ばたきをする模型の飛行機)こそが、憧れでした。
 あのレオナルド・ダ・ヴィンチさんも、そんな(羽ばたき飛行機)の模型を残していますよね。人並み優れた(腕力)の持ち主だったというレオナルドさんとて、その羽ばたきの動力は腕力とされていたようですね。

 かくて青年時代、そんな羽ばたきする模型飛行機の設計図が紹介された本が出ると、それはもう大急ぎで買って、そして夢中になって作ってみたものです。 我ながらきれいに出来たそれらは、天井から糸で吊るしてうっとりと眺めていたものですが、1年経ち、2年経ち、…それらは埃にまみれ、繊細だから拭くこともままならず、…紙部分は取り除いて、…結局少数の(骨組み)だけが残ったばかり。
 そしてそれらの中で、「羽ばたく飛行機」の(羽ばたきの原理)を教わった1種の骨組みだけを、昔の夢の残滓として写真に収めました。 これの(動力)は、模型飛行機用の(ピレリ)ゴムですよ。

 なお昔縁日では、いろいろと面白い(ゴム動力)の飛行物が売られていましたっけ。そういう奇抜なアイデア飛行物体の考案者は、我が憧れ!

室内飛行機という(軽量飛行機)の設計者で
大好きだった野中繁吉(のなか しげよし)さん
が編集された「子供の科学 別冊 室内飛行機
集 誠文堂新光社 1973年発行」の中から
作ったものです。作るのが本当に楽しかった。
上記の本は、私の宝物。今はもうこのような
精密な作業はまったく出来ませんので、こうし
て眺めるだけですが、それでも楽しい!   

 

2019/02/25

組み絵(木)

電動工具への憧れと別れ?

 これは30代頃の話です。(糸鋸)という道具にすごく魅了されておりました。(木)という素材を、曲線デザインのままに切り出せる道具だからです。
 しかし、狙い通りのきれいな曲線を切り出すのには、かなりの腕力と技術が必要なことを実践を通して知ってました。で、そんな作業を楽にしてくれる(電動糸鋸)というのにすごく憧れました。何年もの願望期間を経て、…それを含めて様々な木工の出来る(電動工具キット)を、ある日ついに手に入れました!

 で、喜び勇んで住まいのベランダでスイッチを入れてみたら、…ああ!まるでジェット機が墜落したごときすごい音ではありませんか!(これ、もう35年以上も昔の話です。今は音の静かなものに進化していることでしょうね?) ともあれ集合住宅では使えません! 欲張って、他の作業も出来るキットに出会い、衝動買いしたのが失敗だったようですね。

 ところで、妻の実家は昔(木型屋さん)でした。かくてここに持ち込んで、まあ一応は『仕事の補助に使える』とて、感謝されて安堵しましたが、本来の希望だった木での(組み絵)の作品制作の夢の実現は遠のいてしまいました。
 長年の夢が、自分の住まいで叶えられないのでは、その思いは潰えてしまうのは止むを得ず、…悲しいかな、結果意欲も消えてしまったのでした。

 が今回、その頃描いた(組み絵)のデザインが出てきましたので、それをご披露します。厚い木でこれを切り出してみたかった!

干支の組み絵のデザインです。実はこれは2作目。
第1作目は「十二支+α」のテーマで、確か「ひよこ」
や「うりんぼ」を加えたデザインで、糸鋸で切り出した
ように思うが、今回は見つからなかった。      
なお、この(組み絵世界)で、憧れだったのが、小黒
 三郎さんという方でした。(組み木)が当時の名称。  
      
ずっと前の項で、小学館からの依頼で
「木のおもちゃ」のデザインをさせてもら
って、すごく嬉しかった、という思い出
を語りましたが、写真ではわずか3種類
しか紹介出来ませんでした。今回そのと
きは居なかったものが出てきましたので
全員集合です。           
なおこれは(合板の板に型抜き)という
 手法で生産されたものです。      



2019/02/22

おひなさまと千代紙

男の身でも?

 3月が近づいて来ると、おりがみ愛好者の心に思い浮かぶのは、そう!「ひな祭り」ではありませんか? さて私は男の身ながら、かなり多くの「おひなさま」をくふうしてきました。
 これは、特に出版社からの依頼があったからだけではなく、雛人形というものが、おりがみの源流にあることを意識しているからでしょう。
「流し雛」というのが、その具体的な(源流)にあるものの一つと思っています。

 ところでそんな理由の他に、日本には、素晴らしいおりがみ素材として(千代紙)という、和紙に華麗な模様を刷り出した美術品があります。「おひなさま」に最も似合う素材がこの(千代紙)です。そして、それを使いたいからでもあります。

 でもこの(おひなさまへの千代紙選び)が、私はどうも不得手のようだと、いつも感じていた者です。
 このことでは、「すごいセンスだなあ!」と感嘆させられた方が、高濱利惠(たかはま としえ)さんでした。 既成の千代紙の柄だけで満足されないときには、複数の千代紙を(切り貼りして)納得の柄を作っておられました。(具体的には“小倉百人一首”の絵札を全ておりがみ化されたときなどに!)

 とまあ、ともかくそんな私なりの「おひなさま」作品がいくつか出てきましたので紹介します。なお、向かって(めびな)さんが、右のものと左のものと混ざっているようですが、どうもその時の気分で、適当にしていたようです!

菱型ステージの上の「さんかく雛」
衣装の豪華さを出すために、千代紙を複合させた。

「立ち雛」。妻はこの形式の雛が好きだそうです。




2019/02/19

薔薇と椿

チャレンジの思い!

 私は「薔薇」と「椿」の花を、しつこいくらいに追求して来ました。つまり、この作例には、内外にわたって傑作がいくつも在るからです。傑作に対しては挑戦しなくてはなりません。アスリートが記録に挑戦するように。

 そんな次第で、挑戦作品の一例をお目にかけましょうか?…おやまあ、私既にいくつもの「薔薇」と「椿」紹介しましたよね!
 いやいや、そんなことどうでもいいじゃないですか。既にお目に掛けたものも、ここでのものも、ともかくも実に楽しいくふうの成果!この後も、「木」や「キューブ」共々、繰り返し成果をお目に掛けるつもりですよ!?


6枚組みの「キューブの薔薇」

5枚組みの「椿の花」
葉は作品を立てる台になっ
ていて「ばら」と同じもの
    で、1枚折りのものです。    

2019/02/16

造形で勝負!?

「絵のない絵本」

 アンデルセンの名作にこんな題名の物語がありましたね。

 実ははるか昔の出来事ですが、大好きだった切り絵絵本作家の、東君平(ひがし くんぺい)さんが急逝されてしまうという、ショッキングな出来事がありました。
 そんな東さんに、3部作構想の絵本プランがあり、その2作は実現されたものの、最後の1作が、絵コンテだけが残されていたそうで、…その前2作を実現させた福音館書店の編集部は、東さんのいとこで、よく知られた写真家の山口進さんといろいろと相談された結果、その第3作の実現に、他の切り絵作家さんに頼むより『おりがみでやったらどうだろう?』とのことになり、山口さんからの提案で、私のところへ話がまいりました。

 さてその初めての依頼の内容ですが、『折り方図の無い、完成形の造形だけでやってほしいのですが?』というものでした。

 おりがみって、(復元を楽しむ遊び)です。それが、折り方図の無い本とは!? で、一旦はお断りしました。 しかし、お断りしての帰り道、いろいろと考えて、「あの東君平さんと関われる上に、おりがみ造形が一つの勝負の好機なんだぞ!」と、そんな声が頭の中に聞こえて来ました。 で、家に帰ってすぐに電話をして「やっぱりこの仕事、やらしてください!」と言ったのでした。

 折り図の無いおりがみの本! そのときあのアンデルセンの「絵のない絵本」の言葉が頭に思い浮かびました。
 そして実現された「海のおまつり 東君平・山口進さく、笠原邦彦おりがみ 福音館書店 年少版こどものとも 150号 1989年刊」が出来たのです!

 自分で言ってはなんですが、これは実にいい本です! 君平絵本の上位に入れてもよいものだと公言したいほど自慢しています!

 後日譚ですが、孫の一人が、図書館で『これを借りて行くと言った本が、なんと!この(海のおまつり)だったのです!』 もちろんおじいさんが関係していることなど、まったく知らないで!

海の生き物のあれこれが登場しますが、主役は(たこ)
でした。その主役はなんなく折れましたが、ちょっと思案に
時間が掛かったのが、(さざえ)でした。基本的に、東さん
の絵コンテに従うわけですから、平面造形でなくてはならな
いのです。でもそれはうまいこと出来ました。「ああ、オレ
って、けっこうやるじゃん!」と自画自賛したものでした!

私が君平さんのファンであることの
証拠です。ある日偶然に個展をされて
いるところに出会い、そこにご本人も
居られて、このサインをいただきまし
た。               
右上のうさぎの切り絵のところに、何
やら薄い字がありますが、それは私が
東さんのこの作品についていた詩がか
 わいかったので、書き写したものです。
ボクは男だひげがある
ボクは男だ立ってする
ボクは男だ青いくつ 
もしかしたら、このときからご縁があっ
たのかしら? なんちゃってね。   


2019/02/13

幻覚の経験

出版の盛んな頃…

 そして(売れっこ)だった頃(!?)の話です。1年に(3000ページ余)の図版原稿を描いたことがありました。毎日休まず描き続けたとして、単純計算で1日に(8ページ以上)ですね! もちろん解説文も書かねばなりません。
 そしてパソコンなんか無い頃とて、すべて(手描き)です。(おっと、今でも私手描きです。それはそれしか出来ないから。)

 そしてこんな作業の終わりの頃、幻覚が起こりました! 書いている図版の完成図が、ふらふらと浮き上がって来たのです! このとき酒は飲んではいませんでした。

 まあ、こんな経験は1度だけですが、ちょっと奇妙な体験です。そして、こんなすごい
依頼の集中は1年限りで、その後幻覚を見るほどの仕事はしなくなりました。

 でもね、この時の作業物を見直してみると、結構良い出来のものが多いんですね! そして、そんな作品を作っていたことをすっかり忘れていたものの一つを、今回その頃の作業物の中に見つけ、折ってみました。「かっぱのポチ袋」です。 面白い折り方をしていました。

サンリオから出版された、かわいいサイズの
本ながら、しっかりとした上製本の一つに「し
かくいふうとう」として紹介されたもので、私
自身、こんな作品を作ったことを覚えていなか
ったものです。              
なおそこに「かっぱの顔」にも見えるでしょう
と書いておりますので、今回、「かっぱのポチ
袋」と改題しました。下の写真のような(折り
出し)から始まっていますので、パズルとして
折ってみてください。           
15cmのふつうサイズのおりがみで作ると、中
           に、千円札を二つ折りして入れられますよ。            
このような(60度の折り)から始めて、
真ん中のかどから下の、白部分を後ろへ帯状
 に折って、そこを(口)に見立てます。   
      ではそこから「かっぱのポチ袋」折ってみて。

2019/02/10

ちょっと素敵なおり紙

(はくつる おりがみ)という商品

 いつ、どこで買ったか覚えていませんが(grimm hobby)というおりがみメーカーの(7cm × 7cm)の小さなおり紙ですが、ひとつのかどに(赤)(黒)などでわずかのデザインが施されているだけのものです。(下の写真参照) そしてこの部分を(頭部)として「おりづる」を折ると、「丹頂ツル」と成る!というしゃれた用紙です。

 ちょっとしたアイデアですが、粋なセンスだと感心しました。買ったまま忘れていたのですが、部屋の片付けで出て来て、折ってみてすごく嬉しくなりました。
 今でもどこかに売っているかも知れませんね。







2019/02/07

楽しいキャラクターおりがみ

手塚治虫さん

 この天才漫画家に、計り知れない影響を受けた人間の一人です。 一度だけ、そうたった一度だけ、(虫プロ)からの依頼で、おりがみの…確か(恐竜)の注文をいただいて実践し、そして手塚治虫さんのお名前と印の押された小切手を受け取りました。
 すぐに換金してしまいましたが、今にしてとっておけばよかったなあ!と思います。まあ私には(金メダル)みたいなものだ! でもまあ、そんな(余裕)は無かったーっ!

 さてこの天才との関わりとして、小学館やサンリオといった出版社からの依頼で、私は結構多くの(手塚キャラクターのおりがみ化)をやっております。
「鉄腕アトム」「めるもちゃん」「ユニコ」…出版社から『手塚キャラクターをおりがみで考えてくれ!』と注文が来ると、もうそれはそれは嬉しくて勇んでくふうしました。

 もちろん手塚さん以外の方の、人気漫画のキャラクターの(おりがみ化)も随分たくさんやりましたが、でもとにかく小学生の頃からの(手塚ファン)とて、このときはほんとうに嬉しかった。

 なお後年、水木しげるさんのファンにもなって、「ゲゲゲの鬼太郎」の注文が来たときは、これまた嬉しくて、頼まれてもいない「ねずみ男」や「目玉のおやじ』までくふうしました。(もちろん鬼太郎以外の勝手な作例が発表されることはありませんでしたが。)

 いづれにせよ、こういったキャラクター作品は、自著には掲載出来ませんので、一人楽しむだけですが、「サザエさん」だの「仮面ライダー」だの「フランダースの犬」だの「ロッキーチャック」だの「ウルトラマン」だの、…多分100を超えるキャラクターを楽しんだことです。 そうそう、「スヌーピー」「アンパンマン」「どらえもん」なんかもやりましたっけ! 私には実に楽しかったいい時代!
 それからそうでした! ずーっと昔、日本折紙協会(NOA)の合同作品展で、これら(キャラクターおりがみ)の展示をさせてもらったことがありました。 おりがみ仲間たちや先輩方に、結構人気のブースでしたよ!

 「どんなものでも、ご注文をいただいてから(3日の猶予)がもらえれば、くふうが出来ますよ!」が、当時の私の売り込みの口上でした。そしてそれを違えたことはありませんでした。(大抵は数時間でくふう出来ました!)

 私を少し有名にしてくれた「ジャイアントパンダのランランとカンカン(これも人気キャラクターですね!)」も、信用金庫協会というところからの依頼で、手直し時間も合わせて1日で出来たものでしたよ!
 でも正直に言ってしまうと重みが付かないので、しっかり3日後に「出来ました!」と言っていたと思います。

雑誌に紹介されたときは、表情を描き入れしていまし
たが、ここではそれをしていないものが出てきました。
            そのまま紹介しますので、当ててみてください。              

このキャラクターの中には、ちょっと分からないと
いうのもあるかも知れませんので、その作品名を紹介
させていただくと、上段左から「月光仮面」「樫の木
モック」「みなしごハッチ」。下段左は、横山隆一さ
んの「おんぶう」と「おに」そして一番右は長谷川町
子さんの「サザエさん」。            
このあまりに有名なキャラクターは、ミニチュア・
ボックス」にして楽しんでいました。なおこの仕事の
依頼をくれたのは、今は無い(すばる書房)で、ここ
では月刊誌「SNOOPY」というのを発行していて、そ
の1977年の8月の号に図解紹介されたもの。  
 今回片付けの中でその雑誌が出て来て、懐かしんだ。

2019/02/04

織り紙の先輩

あるサロンで。

 その昔、伏見康治先生が主催されていた、サロン的な集まりに「アルス・プラス」という名の会がありました。

(アルス=芸術)の行為に、例えば(数学)とか(物理学)とか(パズル)などの考えをプラスすると、どんな新世界が出現するか?…まあ、そんな趣旨の夢を追う方々の集まりだったと理解していました。 名だたる大学教授や著名な著述家や美術家などが居られることは、後刻、徐々に分かって来たことでした。

(おりがみ)という、伏見先生と共通の興味対象があった故に、本来ならとても参加出来ないこんな集いに、私は参加させてもらえたのでした!
 最初は詳しいことは知りませんでしたが、錚々たる著名人の集いらしいとて、当初、私はとても落ち着かない気分を感じたものですが、でも勇気を絞り出して参加させていただきました。 初参加のきまり(?)としてか、何かの発表をせねばなりませんでした。熟考の末、「おりがみ=Paper folding」では芸がない?なんていう浅慮から「織り紙=Tape weaving」につき発表しました。丁度その頃熱中していたからでもあります。

 汗をかきかきプレゼンテーションをなんとかやり終えたとき、後ろから私の肩がそっと叩かれ、振り返ると、そこに笑顔で封筒を差し出しておられる方が居られました。
 その封筒を開けてみると、何と(織り紙)の文字が飛び込んで来ました!そしてその中身は、(長いジグザグの6枚の厚紙の印刷物)で、それを(織る)と「(菱形30面体=RHOMBICTRIACONTAHEDRON !)の地球儀」になるという、見事な立体造形パズルでした! 勿論家に帰ってから楽しませていただきました。 その場で出来るほどやさしいパズルではありませんでしたから。

 またさらに、その後の座談の場では、(梱包用のプラスチックテープ)から(織って)作られた、大きく強くボールのように突いても壊れない、見事ないくつもの「幾何立体」が、皆さんに披露されました! 私は即座にその造形物たちの魅力に心から引き込まれてしまいました!
 なおこのとき横浜国大の松本久志先生も参加されており、この(織り紙幾何立体)に、私同様驚嘆されておられたことをはっきりと覚えています。

 さて、そのとき私の発表物は、これまで諸所で見ていただいたような、鳥やどうぶつなど抒情的な造形のものでしたが、この方のものは明らかに幾何図形に関わる造形です。私がこのブログの最初の方の項でご紹介した「織り紙の“正多面体”」は、このときの経験からのものです。
 そうです!この方は別宮利昭(べつみや としあき)氏とおっしゃる、立体造形パズルの著名な作家で、まあ(織り紙の世界)に素晴らしい先輩が居られた!ということを、ここに感動と喜びを以って知った次第です。


(1本テープでの)織り紙の「りす」

 私のそれまでの「織り紙」は、ここまで何度か見ていただいてお分かりの通り、ほとんどは抒情的な造形でした。でも別宮氏の「幾何立体図形」を見せていただいてからは、私もそれなりに(私らしさ?!)を加えた、紙テープでの「正多面体」を作ってみたのですが、それは既に1昨年ご紹介しました。
 でももうお忘れになったことでしょうから、下に再掲してみます。

 なお私のこのブログを「92 Origami Plus」としたタイトルの(プラス)は、ずっと単純な(おりがみ以外の私の興味の付け足し)の意なのですが、まあその根底には「アルス・プラス」への憧れの気持ちが在るのは確かです。

 なお、数は多くはありませんが、この(織る造形)は、伝承の中にも有ります。そしてそれらは、機会あるごとに著書に紹介もしてきました。
 例えば(セパタクロウ)という競技に用いられる、藤(とう)編みによる(サッカーボール状の球)を、紙テープで織るものだとか、沖縄のアダンの葉での(星っころ)をやはり紙テープで織ったものなど。


これも1本テープでの織り紙の「ねこ」

















織り紙の「正多面体5種」(再掲)
この中の一番大きい「正20面体」の構造
は、別宮氏の造形と同じものかも知れませ
が、確かなことは分かりません。なおその
あたりのことは、パウロ・ムラチンヨさん
のご支援により、ドイツで出版された「国
境の無いおりがみ Origami ohne Grenzen 
AUGUSTUS VERLAG 2001年)にて別宮氏
    からのご教示のことなどを掲示しました。    
別宮氏との最初の出会いのときに頂いた
織り紙の「地球儀 DIAMOND GLOBE」が
 これです。見事で楽しいパズル立体ですよ。 

2019/02/01

数遊び

四つ葉のクローバーって?

 四つ葉のクローバーは(幸運のもの)と言われていますが、これに異を唱えたかわいい甥っ子がいます。彼、少年の頃に曰く『4って、“死”と繋がる縁起の悪い数でしょ!』

 西洋の人の(ラッキーセブン)は、日本だと(7=七転び)で良くはなく、次の(8起き)の(8)が良いのだとか!(七)の字って、尻餅をついた人に見えます。それに対し(八)は“末広がり”という次第!
 これは中国でも同じようで、『8こそ最高!』となるらしい。なお彼らは(9)も珍重するらしい。

 さて私にはそんな(数遊び)の、(おりがみでのくふう法)にだけ興味があるわけで、幸運の四つ葉のクローバーは、正方形の紙から至極簡単に折れるので、むしろ(正方形の紙からの三つ葉のクローバー)にこそくふうし甲斐がある、と思っているわけです。

 さて(クローバー)といったら、それが大好きな「うさぎ」。 かくて「うさぎとクローバー」をミニチュア・ボックスにして、クローバーに囲まれて喜ぶうさぎを。
 この中に、幸運の四つ葉のクローバーが有りますが、見付けられますか?

「うさぎ」は伝承作品の発展形です。…さて(四つ葉)はどれ?