2018/04/28

キューブの(化石)?

地殻変動を受けたキューブ!

 ある日のこと、とても奇妙な話を、はるか空の彼方からの声として聞きました! 
 それは、…『縄文人は(おりがみ、いえ、“折り葉遊び”)を知っていて、5000年前の頃、大きな木の葉を四角に切って、なんと!「キューブ」を折っていたよ。』という話なのです!

 続いて、『その縄文人が折ったキューブが、風に飛ばされて泥の中に落ち、…それが泥に埋もれ続け、なんと5千年の後に発見されたが、相次ぐ地殻変動からそれはねじられた形の(化石)となって掘り出されたよ。』…とまあ、そんな幼稚なヨタ話は置いておくとして、…でもそんな話を彷彿とさせる造形を得たので、ご紹介しましょう。

 ところで(縄文人)は、支配欲とか権力欲など夢にも欲しなかった故に、1万年の平穏を保てたのでしょう。ところが、縄文人には無縁のそんな欲望の大襲来に、多くは巻き込まれてしまったのでしょう。

 けれど、そんな欲望の襲来から身をかわし、自然への畏敬のみを縁(よすが)として、平穏を望む一部の人々は、北の大地や南の島や、中央の山連なる地や、東北の雪も緑も深き地などに去って行った、というのが私の心に思い浮かべられる情景です。

 そんな妄想から、…今現代社会に属して生きる私たちの多くは、(弥生人)の末裔なのだろうとも思えます。 それ故に様々な欲望に苛まれて生きています。 黙っていれば、また服装の違いなどを見なければ、アジア人は外見はよく似ていて、一瞥して「◯◯人」と識別出来ませんよね。…ということは、同じアジア人である韓国、朝鮮や中国の人たちとの摩擦は(身内の諍い)ということになるように思われてしまう!?

 いえもっと視野を広げれば、歴史の秘密を追求する作家、加治将一(かじ まさかず)氏の慧眼にては、血脈は遠く西方に在った「エデンの園」まで繋がるかも知れない?!

 ならば昔テレビコマーシャルでよく聞いた気がする、『世界は一家、人類はみな兄弟』
の言葉に真実を見るように思えます! おっとこの後に続く言葉は『さあ、みんな仲良くしましょう。』だった? なんのコマーシャルだったかは忘れましたが、確か笹川良一という(競艇)に関係する不思議な人物の言葉だったような記憶ですが、この人物がどんな人であれ、上記の言葉には、縄文人的な希望の良き香りを感じましたよ!

 歴史の真実って、縄文人の末裔でありたい!と望む私などからは、妄想のそのまた妄想でしか想像できませんから、まるで何も見えないのと同じ。 しかし、そのように“見えない”ことこそ幸いなのかも知れません。


「キューブの化石」と題したオブジェ作例。
なお下の台座は、シルバー矩形の紙からの
作例で、(「玉手箱」諸形)の項でご紹介
 したものです。中心部に飾りピンが差せて、
 ほら!(飾り台)としていい感じでしょっ。

河合豊彰さんの思い出

 私の(個人史)の話の中で、学生から社会人に成り立てまでの青年時代、「河合豊彰という先輩の“追っかけ”をした。」との話をしましたが、ある日河合さんにお会いしているとき、『先日、岡本太郎さんと美術雑誌のための対談をしたときにね、私に「あんたはすごいよ。1枚の紙でなんでも表現しちゃうんだから!」と、褒めてもらったのよ。』とおっしゃいました。

 さて近頃、大阪万博の「太陽の塔」がその内部展示物を復活させ、新たに公開されることとなり、岡本太郎さんの深いメッセージがまた話題になって、それで河合さんのことも思い出されたのですが、…河合さんは(おりがみの)というジャンルを大いに開拓された方でして、「マスクのカワイ」がよく知られた呼称でした。

 そして岡本太郎という芸術家の情熱は、「縄文人の心の復活」を叫ぶことに向かい、…そしてそのことから、古代人や自然の中で暮らす人々の、(降神)のための手段でもある「面」というものにも多大の関心を寄せられ、…そんな視点から河合さんへも評価を向けられたのでしょう。
 縄文人、面、岡本太郎さん、河合豊彰さん、…なんだか(ああ、我が意を得たり!)と思えるこの頃です。 

2018/04/24

また一つ見付けた!

6番目?の「玉手箱」

 先の(「玉手箱」諸形)の項では、5種類の「玉手箱」をご紹介しましたが、このほど6番目のものを見付けましたので、ここにそれをご紹介します。

これは(4ユニット組み)の「キューブ」です。
写真の右にある(立体ユニット)を4つ組んで作り
  ます。その組み方は少々(パズル的)で面白いですよ。

 実を言いますと、ここで紹介しております(立体ユニット)は、ずっと以前に見付けて
いたものなんですが、先日これを改めていじっている中で、「あっ、これ(玉手箱)になるかも知れないぞ!」と気付き、そして手にしたものでした。
 ともあれ皆さんも下の図解にて、どうぞやってみてください。なお、この玉手箱は、外観だけを写したものですから、開けたり閉じたりは出来ません。 開けたらバラバラ!
 でも…?!

(立体ユニット)という新しいくふうのものです。
これを(4つ)作って「キューブ」に組んでください。

時期はすっかり遅れましたが、「椿のキューブ」です。


「玉手箱の諸形」の項で(4番目)の
ものとしてご紹介した「(5等分折り)
での「1枚折り“玉手箱”」は、その組み
の力が弱くて、上部が広がってしまうと
 の弱点を明かしました。        

しかしその(弱点)を発展的に捉えて、
写真のように「椿キューブ」にしてみま
した。逆転の発想というやつですね? 

上記した(立体ユニット)を「葉」とし
              として包み込むと、ほら!いいでしょう。             
つまりこうすると、ここでの作例もまと
       まって安定するわけです。             

2018/04/20

要素の数に合わせて

キューブの(3要素)の数

 前項で言いました通り、キューブの(要素)はその数がはっきりしていますから、それに(ユニットの数を一致させる)という考えは、必然的なテーマですね。で、…

「キューブ」は別名「正面体」ですから、(面の数=6)です。次に(辺の数=12)、(頂点の数=8)ですね。そこでこれらキューブの(要素)の数に合わせての、ユニット作例をご紹介しましょう。

 ところで前に阿部さんの推薦図書として「高木貞治(たかぎ ていじ)著 数学小景
岩波書店」という名著に触れましたが、その中に、この(面=Face)と(辺=Edge)と
(頂点=Vertex)との間に在る法則を示した「オイラー(=Leonhard Euler)の多面体定理」についての、とても楽しい解説があります。
 結論だけを示すと、…3種の(要素)の間には、…

V(頂点)+F(面)= E(辺)+2 (高木先生は、点はt、面はm、辺はh、で説明!)

 という関係式が成り立つというものです。ところで痛快なのはその証明で、(多面体)をゴムで出来た球体のように考えて、…いや、門外漢の説明など止しまして、…この定理の証明が、近代数学の一つ、「トポロジー(Topology=位相幾何学)」の出発点となったと言われている、という事実のみ紹介させていただきます。 ほら!『ドーナツとコーヒーカップとは、“穴が一つ空いた図形”で等しいもの。』そんな考え方をする幾何学ですね。

 なおこれまた自慢話に繋がりますが、『この「トポロジーの考えからの一つの発展としての“カタストロフィー理論”という思考」を、日本に最初に紹介された数学者だよ』と、阿部さんに教えられた、早稲田大学の野口宏教授がおられますが、この野口先生は、一方で「あやとり」の著名な研究者でもあられ、…こちらでの関係で、この野口先生と、当時サンリオにおられた阿部恒さん、…そして数年間、ピポ社で一緒に働いた同僚で親友の、ペーパークラフトなどに見事な才能をお持ちのデザイナー小杉恵子さんと私との四人は、サンリオが創刊した「あそびの国」という楽しい雑誌の編集のために、毎月1回集まったものです。 こんな幸運が確か2年ほど続きました。

 まあこの編集会議も楽しかったものですが、終わった後の(呑み会)が、まあ至福のとき! 山国生まれの私が、刺身の真の旨さを教えられたのもこのときでした。
 マグロもサバもヒラメもアジも、タイもイワシも、海の魚はまったく知りませんでしたので、お寿司が美味しいものだと知ったのは、30歳も半ば過ぎてからですが、…まあ、その美味しいと思うものは、イカ、タコ、エビ、それに赤身のマグロに平貝ぐらいで、コハダやウニやトロなどがおいしいと思うようになったのは、…そう、この頃以降のこと。

 そしてこの呑み会で、(白いカレイのエンガワ)とか、(桜色したイワシのお刺身)の初めて知るおいしさには、声をあげるほどの感動でした。
 昔、長野県で知る魚は、鯉、フナ、ワカサギ、…うなぎ、など淡水魚で、海のものは「塩イカ」?…海の無い県としては、イカは生ではなく、塩漬けの真っ白い保存用のものだけでした。(これがまた独特のおいしさのものでした。) まあ現代の方にはきっと想像もできないでしょうが、…私のこども時代はそんなでした。
 あっそれから、フグのおいしさを教えてくれたのは、佐世保市に居られた頃の川崎敏和さんです。(それは、確か私はまだ40代半ばの、煩悩多きときだったか?)

 あれあれともかく、この頃の経験と毎日は、我が人生の絶頂期のものだったようです。…失礼、本題に戻りましょう。

 さて前項では「要素は4つ在る」と言いましたが、(中心)は、それって一つしか在りませんから、数に合わせたユニットにはなりませんので、ここでは用いられませんね。

 でもこの(中心)からの発想は、他の要素に関連付けると、いろいろと考えることは出来て、とても楽しいテーマでしょう。
 ともあれ、「キューブ」という一つのテーマがどんどんと広がって行く様をご覧いただくと、私がこの探求をライフ・ワークにしたこと、きっとご理解いただけるでしょうね。


左から、「面数6に合わせての6ユニット組みキューブ」
中央が「辺数12に合わせての12ユニット組みキューブ」
そして右が「頂点数8に合わせての8ユニット組みキューブ」
そしてここでの自慢は、このユニットの折り方が、ほぼ全て同じ
ということ!

これは(一つしかない中心)を
6つに分けて、外側に引き出す
という思案での作例。    
「菱形12面体」とでも呼ぶ?
 なおここでの使用ユニット数は 
辺の数に等しい12枚です。 

2018/04/16

キューブの4要素から

(面)、(=辺)、(=頂点)そして(中心)

 これは「正多面体5種」について言えることですが、おりがみで正多面体を考えるとき
には、常に上記の(4つの要素)からの(くふう)を思い描くことが出来ます。
 さてそこで、私のライフワークの「キューブ」について、そんな視点からくふうしてみた4種の作例をご紹介してみましょう。(写真1)

写真1
左から右へ向かって「面からのくふう」「辺からのくふう」
「頂点からのくふう」そして「中心からのくふう」の4つの 
キューブたちです。                  

 さて(写真1)と同じような視点からのもので、もう少し(装飾性)を高めてみたものを(写真2)に紹介します。この中で、一つしか無い(中心)は、これを12に分けて、
(辺での角度)として表現してみたものです。
 なおここでは(要素の数)は考慮せず、自由気ままにやってみました。でも、(数)に意識を向けてみるのも楽しいもので、具体的には、面の数6に合わせ6ユニット、辺の数12に合わせ12ユニット、頂点の数8に合わせ8ユニット、で考えるわけです。
 で、そのことは次の項で見てみましょう。


写真2
右奥のものは、「辺で構成された12枚組みの
キューブ」ですが、頂点から対角の位置にある
頂点を結ぶ4本の対角線の交点が、中心です。

2018/04/12

サイコロキャラメル

両親の思い出

 一歳違いだった私の両親は、共に74が享年でした。父に1年遅れて母が、仲良く(後期高齢者)と呼ばれる直前に亡くなったわけですが、私は既にそう呼ばれる年齢を越えています。 いつか再会したときは、末っ子の私が両親より年長!

 さて突然変な話ですが、母が大好きだったのが明治製菓の「サイコロキャラメル」でした。 そしてもちろん私にも分けてくれましたよ。 こどものときの小さな口にいっぱいになる大きさで、実に幸せな夢を見る如き甘さでした。

 改めて説明するまでもないでしょうが、サイコロ型の紙箱の中に、大粒のキャラメルが2つ入っているもので、冬期限定で、赤と白のサイコロの箱でしたから、後年、空き箱をためておき、前に紹介した「おしどりパズル」をこれで楽しんだものです。

 ところでこのキャラメルを(パズル)にした商品があります。 (HANAYAMA)という会社の製品ですが、実に見事なパズルです。随分前にどこかで見付けたものだと思います。
 後の写真の通り、キャラメルと同じく紅白二つの箱で、その一つには、透明なキューブの箱。もう一つには本物そっくりのプラスチックのキャラメルのピースが15個入っています。

 前記した通り、一つのサイコロには2粒のキャラメルが入っていますが、このサイコロが8個入っている中型のもの、そして27個入っている大型のものもありました。
 このパズルは、8個入りの中型箱で出来ているのですが、…2×8なら(16粒)のところを、1粒少なくしてあるわけで、…つまりこの1粒欠いたことからパズルとなっているのです。

 問題はこうです。『キャラメルピース15個をケースに詰め込み、全部のピースを固定させよ。フタをしめ、ケースを様々な向きにかたむけてずれ動くピースがまったくなければ完成!』 そして続けての小粋な言葉、『パズルを解く(楽しみ)と(苦しみ)を充分に味わっていただくために、解答図は付けていません。ぜひ自力で解答を見つけていただき、本当の(感動)を味わってください。』 いいですねえ! そしてこれかなりの難問なんです!(長時間掛かって、私は二つの解答を得た。で、2度の感動を味わった。)

 ところでこれは、実際にその楽しさを、ここでの紹介だけでは味わっていただけないわけで、それで紹介を迷ったのですが、キューブとパズルの(記録)ということで示しました。悪しからず。
 こんな話を聞き遊びたく思った方、どこかで入手出来ることを祈っていますよ。

 ともあれサイコロキャラメルと、パズルも好きだった母に見せたかったなあ! 一方父は、おもちゃ類や遊具が好きで、いろいろ手作りしてくれた記憶がありますが、それは、「水鉄砲」「竹馬」…。まあ、私のおもちゃ好きや手作り嗜好は、父と似ている点、いや遺伝かなと思っています。 おっと、もっと似ているのは、酒好きのところですかね。

 父はウイスキーをよく飲んでいました。で、私も一時父と同じ銘柄を愛飲していましたが、その後バーボン、ブランディー、テキーラ、カイピリーニャ、ラム、ジン、ジュネバ、グラッパ、ウオッカ、シュナップス、マッコリ、ラオチュウ、…などと、厳しい?呑み比べの行脚? 最近は日本酒や焼酎、そして偶にワインや泡盛です!

 要するに(のんべえ)です。 そして(のんべえ)の理想は?
『なかなかに 人とあらずば 酒壺になりてしがも 酒にしみなん』 大伴家持さんでしたっけ。万葉の同志!?


追記: ところでまさか?とは思いましたが、インターネットで“サイコロキャラメル”を
   検索したら、ああ、ちゃんと載ってました!…でも、悲しいことに、2016年を
   以って製造中止と! ノスタルジイばかりが募るこの頃です。

インターネットには、この「サイコロキャラメルパズル」
のことの紹介もありました。でも残部寡少とてすごく高価
でしたよ!                     


解答その1

解答その2
追記2: 明治からの販売は中止されたそうですが、北海道や横浜のメーカーでの製造
    販売に受け継がれたそうで、ほっと安堵しました。名菓は滅びませんよね。


2018/04/08

最高のキューブ!

「海洋堂」という会社

 ミニチュア模型やフィギャーの製作で有名な会社に「海洋堂」があります。私にはとても憧れの会社です。一時期、グリコの(精密おまけ=このときの商品名は“タイムスリップグリコ”でした。)も手掛けましたので、私はむちゅうで買ったもので、おかげでグリコが山となったことがありました。(希望するものになかなか当たらなかったり、同じものが続けて出たり、とついついたくさん買うことになる。 いやーっ“商売上手!”ですね。)

1969年、アメリカのアポロ11号が
人類初の月面到達に成功したときの様子
    を示す模型は「タイムスリップ・グリコ」
の(おまけ)です。今正に足を下ろそう
とするアームストロング船長の姿までが
見事に表現されています。      

ところで、さすがは海洋堂とて、グリコ
の商品なのに、その組み立て説明図には
(原型製作 米良健一郎)と、個人名が
明記されていて、強い自負心を感じさせ
られました。            
 この精密模型の高さは、2.5cmでした!

なおこの素晴らしい出来事の、2日前に
私は父親になりました。       

 さてある日、私がキューブやグリコのおまけなどのミニチュアに目のないことを知っている息子が、素晴らしいプレゼントを持って来てくれました!

 それはあの(オタキング)こと、マルチ人間の岡田斗司夫氏が、海洋堂と組んで企画した「王立科学博物館」と題した、俗に言う(おまけ付きお菓子=食玩“しょくがん”)で、…これには確かにガムがわずかに入っていましたが、ミニチュアの精密な造形物が主体のもので、…まあこの場合は、ガムの方が(おまけ)でした。何しろ「海洋堂」の制作ですから。
 (宇宙探査機)や(宇宙人)や、(宇宙コロニー)や(火星儀)など、実際のものの精密なミニチュア模型から想像の造形物まで、実に魅力的なミニチュアが揃っているようですが、息子が買って来てくれたのは、…「一辺が2.5cmのクリスタル・キューブの中になんと!(その直径が10万光年銀河)が、現在推測されている中央が膨らんだレンズ型での渦巻きの姿で、くっきりと表現されているもの」なのです!

 私のキューブコレクションの中で、これはピカイチの大スケールのもの! ともあれ写真でご覧にいれましょう。

キューブの二つの(頂点)を少しカットした
クリスタル・キューブの中に、ほらね!我ら
の「銀河」が見えるではありませんか!