それは、一面にだけ色が付けられ、裏面は紙自体の色の(白)。このおりがみ用紙の特性の素晴らしい(教材効果)を教えてくださったのは、阿部 恒(Mr.Abe Hisasi)さんでした。
『知的障害の子どもたちの施設で、おりがみの講習が出来ますか?と聞かれたとき、即座に思ったのが、表裏ということを活用することさ。そして依頼を引き受けて実行したとき、そう!「この色紙をぴたっと折って、白いところをぜんぶ色に出来るかな?」と、こどもたちに聞いたのさ。』
『もちろんその理解には、時間は掛ったさ。でも最終的にはみんな(さんかく)か(長方形)に折ってくれたんだよ。嬉しかったね。』 ああこれ、いい話ですね! なおここから先の指導の仕方は、講師のアイデアですね。
ところでこのブログの始めの方で、このきっちり半分折りには、あと2種類あって、その一つがフレーベルが提示した(ざぶとん折り)による正方形だとの話をしましたよね。
3つの(きっちり色面で白い裏面を見えなくする折り方)にはもう一つ、(5角形)があっって、昔喫茶店で一人コーヒーを楽しんでいるとき思い付き、小躍りした話しましたよね。
話を戻しましょう。
正方形の布の四隅を真ん中に集めて縫い合せ、中に綿を入れた「座布団」と同じだからこの名になったわけです。ならば英語では(クッションcushion フォールドfold)と呼ばれると思いきや、これは(ブリンツblintzフォールドfold)だそうだ。
はて(ブリンツ)ってなーに?
アメリカの民族学者で、オランダ在だったガーション・レグマン博士(Prof.G.Legman)がその名付け親だそうだ。そしてこの名は、ユダヤの人の家庭料理で、春巻きの皮のように小麦粉を練って四角に延ばしたものに具を乗せ、(ざぶとん折り)様に包んで作ったものだとか。
私が持っている程度の辞書では、この言葉は出ていない。それでずっと長いこと分からないで居た。が、三昔ほど前だったろうか、ニューヨーク・オリガミ・センター(現在のOrigami USA)にお呼ばれしたときのホテルの朝食時、並んだ料理のあれこれを選んでいると、ジャン・ポーリッシュ(Ms.Jan Polish)さんがお隣に来られた。
その朝の挨拶の中で、なぜか突然この「ブリンツ」のことを思い出し、彼女に訪ねた。
『あなたが今お皿に取ったそれが、ブリンツよ。』
外国に行って、シラフの時の私の脳は、常にぼんやりしています。だからこの「ブリンツ」どんな(具)が入っていて、どんな味だったか今は完全に忘れていて、思い出せない。でもともかく、ブリンツって、そういうもの。
さておりがみにおいて、(ざぶとん折り)が(きっちり)と出来る用紙形が、正方形以外に二つ有るけれど、それ判りますか?(答えは後日。)
0 件のコメント:
コメントを投稿