2018/12/22

いのしし

殿(殿様の“殿”と書いて“しんがり”と読む!)

 本年最後の紹介は、干支の(しんがり)の、新作「いのしし」です。 新作、とは言っても既に10年近く前のくふうですが、未発表のものです。



 なお私はかなり数多くの「いのしし」をくふうしていますが、その中の一つが、 NOAの佐野友さんを通じて、先頃おりがみメーカーの「クラサワ」さんによって取り上げられ、豪華な「亥 2019干支おりがみ」という、色紙や屏風まで付いたセットを作ってもらえました。
 ところで(殿)という字は面白いですね。(殿様)は勿論のこと(トップ=あたま)ですが、これを(肉月)の上に乗せて(部)と続けると(臀部=尻)のこと。(しんがり)と読んでも同じく軍隊の(最後尾)。
 つまり(アタマ)と(シリ)の両端の意味を持っている! すみません。閑話休題。



締め括りはやはりわがテーマ「キューブのばら」を!


 とまれ、本年は終了します。 穏やかでお元気にて新年をお迎えになられますように。ではまた来年お会いしましょう。

2018/12/19

織り紙と、おりがみ

(組み合わせ)が楽しい

 ずいぶん前に作ったものだが、織り紙(=Tape weaving)と折り紙(=Paper folding)を組み合わせてみたものが、部屋の整理中に出て来たので次に二つを紹介しましょう。

 どちらもしっかりと(作品)としていましたよ。 なお、最初の写真「篭の上のにわとり」の「篭(かご)」は、実は「目籠(と書いて"めかご"または"めかい"、関東では"メケエ"と呼ぶ。)」を材料の(篠竹の皮を薄く削いだもの、それを"ひね"と呼ぶ。)を(紙のテープ)に変えて編んだものです。

 今から45年ほど前、多摩市に住んでいた頃、同地に居られた萩生田長吉氏とおっしゃる(メケエ名人)に、妻が弟子入りして教わったものを、私が孫弟子となって教わったもの、それを(織り紙=Tape weaving)にしてみたわけです。

「目籠」の上の「にわとり」

「十字架上のキリストさま」が(織り紙)です。
ドイツで出版された「国境の無いおりがみ」と
言う著書に紹介しました。が、これが英訳され
アメリカで発行されたときはカットされた。 

お別れの夜
メリー クリスマス
ちょっと「異星人」ぽい
「5角星」でしょう!  

2018/12/16

鶴の変奏曲

モンテロ博士のおりづる(見立て変え)

 2000年のこと、P.C.O.C.(Pacific coast Origami conference=愛称ピーコック(孔雀)=太平洋岸おりがみ会議)のビッキー・ミハラさんのお招きにて、初めてサンフランシスコのお集まりに伺いました。と、そのとき、今から50年余前に日本で初めてお会いしたおりがみ同志のボブ・ブロコップさんに再会出来ました!
 ボブさんは、本多功氏や伏見康治先生にもお会いになっておられた方で、伏見先生のご著書(折り紙の幾何学)の中にもお名前が出ています。
 アメリカの映画スター、ダニー・ケイさんにどこか雰囲気の似た方で、ジャグリング(=複数のボールをお手玉みたいにしたり、壁にぶっつけたりする一種の曲芸)がお上手な方でした。
 そして再会して初めて知ったのですが、ロシアの(マトリューシカ)のコレクターでもあられました。

 私のサンフランシスコのプレゼンテーションを見てくださった後、『クニ、ユウダン、グッドジョブ』と言っていただいた後、お住まいにお呼びいただき、膨大なマトリューシカのコレクションを見せていただき、その後で二つものプレゼントもいただきました。
 さてこのとき、貴重なおりがみの資料の恵贈も戴きました。それがスペインで発行された古書「El.Mundo de Papel  by Doctor N.Montero=紙の世界 ドクター N.モンテロ著」という資料です。(この書のことは、2005年に日貿出版社から上梓した「おりがみ新発見3 古典から最新作まで300年の絵巻」の中でもいくつか作例を紹介しました。)

 さて、2年ほど前に時間を気にしない老後のために(時計)を捨てたのに、知らぬ間にそれは密かに経過を速めているようで、気がつけばもう師走! そして新しい年がもうそこまで来ている!
 そこで「時を超えて名作で有り続ける、永遠のおりづる」のことをふっと考えた。

 そんなこじ付けはともかく、上記の古書から一つだけ「足のある(別紙で付けた)おりづる(本の中では"こうのとり")」をミニチュア・ボックス作品として紹介します。
 ともかくも、このような発想は、私をすごく愉快な気分にしてくれる、実に奇想天外のアイデアなんです。

原題は「LA CIGUENA VOLANDO Y EN REPOSO」

 さて、面白い造形を見たところで、つるの関連で、「(織り紙)のつる」もご紹介します。これは、民芸にある「麦わら細工のつる」を(織り紙)にしてみたものです。

織り紙(Origami=Tape weaving)

     

2018/12/13

ガチャガチャの前に

駄菓子屋さんがあった!

 部屋に溢れる雑物の整理を思い立って、もう4ヶ月もやっていますが、…移動した品の下から、なつかしい思い出のものが出て来たりすると、片付けの手はぴたっと止まり!…まあそんな次第で整理は遅々として進まない。
 ところでそんな思い出を教えてくれる一つの雑誌が出て来ました。花森安治さんが装本されていた「暮しの手帖 99」で、1969年の早春の号です。

 なんでこの雑誌を、カビ臭くなるまで取って置いたんだろう?とて、ページを開いて思い出に引き込まれてしまいました! すなわち、ー
 その巻頭の特集が「10円玉1コのちいさな世界」とて、その当時、駄菓子屋さんや文房具屋さんで、10円で買える「すごい品々」が写真紹介されていたのです。無断ではありますが、悪いことをするわけではありませんので、その一部をお見せします。



特集の最初のページ
あっ! 持ってないミニ・ピストルが写ってる!

 こういうのを眺めると、なんとも豊かでほのぼのとした気持ちになれます。ただし、さすがは「暮しの手帖」のこと、この10円を支えている(製造から小売まで)の経済の仕組みも明記していて、厳しい現実も示している。



 ところで記事では触れていなかったが、こういう商品を企画した人のこと。そういう人たちは、ちゃんと報われていたのだろうか? だってどれをとったって、買手のこどもたち(いや私のような者まで)の心をがっちりと掴んでいる見事なものだからです。

 ともあれ、10円、20円、そして100円…の「ガチャガチャマシーン」が出現する前の時代に、「駄菓子屋さん」「(学校そばの)文房具屋さん」という、私の好きな小さな夢に満ちた世界が在ったんですね。
 そう言えば、この雑誌の駄菓子屋さんの店頭を写した写真の中に、「明治のサイコロキャラメル」が瓶に入れられて売っている場面がありました。そこには、ああ!(5円)とありました。そう、10円で紅白2個買えたんだ! 4粒のサイコロキャラメルがなんと10円で買える時代があったんだ! そんな素晴らしい世界!




追記: 先の項でご紹介した「沖縄の"ねずみ男の顔」に見える楽しい種を持つ植物の名まえを忘れてしまったと記したところ、左方文子さんがメールで『カニステル(果物)の種です。』と教えてくださった。
 念のため、下にその種を再度写真紹介しましょう。 それから、“ミニ松ぽっくり”は左方さんもお持ちで、『沖縄で採集しました。』とも教えてくださいました。どちらも嬉しい情報です。

昔百均で見つけた「キューブのメモ立て」
で立てた「カニステルの種」。下も同じ。
まあ、(舞台裏)のご披露です。    

2018/12/10

かわいい訪問者!

11月のことです。

 ちょっと小雨の降った11月の中旬のこと、部屋の片付けをしていて、ふっと窓の外を見たら、かわいい訪問者の姿がそこに見えました。 すぐに妻を呼んで二人はそれぞれにカメラを構えたことではありました。
 その写真がこれ! なんとかわいいその指の形! ガラス越しにお腹をなぜてやりましたよ。 




 

2018/12/07

八重山の楽しい種子の姿

ウルトラマン、ネズミ男、それらの顔が、植物の種に現れる?!

 沖縄の島袋保子さんからは、実に嬉しい数々の希少な植物の種をプレゼントしていただいて、心からありがたく思っているのですが、…まあ、写真をご覧ください。


「サキシマスオウの実」…何の顔?

ウルトラマン


 明らかに「ウルトラマン」の顔に見えるのは、「サキシマスオウ」という植物の種だそうです。
 しかしより傑作は、「ネズミ男の顔」に見える種で、…あれっ、この植物の名前忘れてしまった! でもそんな人間の勝手なイメージなどどうでもいい! 自然の造形の奥深さにこそ、敬意を払いましょう。



これ、「ネズミ男」


 おっとそれから、黒茶でつるつると指にとても良い感触の実は「モダマ」。島袋さんのご主人が見付けてくれた、宝石みたいに貴重な種です。妻と私は手のひらに乗せてなぜては、折々その感触を楽しませてもらっています。

「モダマ」

なお私の木の実の宝の中で、最大のものは「ブラジルの豆の入ったサヤ」で、生まれて初めての海外で、「プッキ」という芸術大学でおりがみの話をさせてもらったとき、一人の学生が『これはわれわれの楽器だよ。波の音がするよ。(あっ、言うまでもなく通訳の方が訳してくれた。)』と言ってプレゼントしてくれたもの。振るとジャラジャラと楽しい音が出ます。 ゆっくり揺すると、確かに(波の音)に聞こえます。 はて、どんな豆が入っているのか?

百円玉とで大きさを見て!
これを横から見ると、弓のような形です。

 

2018/12/04

松ぽっくりはダメだって!?

どうしてバツにするんだ?

(松の実)のことは、私はずっと「松ぽっくり」と言って来ました。だからこどもにもそう言って来ました。
 ところがその昔、学校のテストで、こどもがそう書いた答案がバツにされました。正しい答えは「松笠」だというのです。何という硬直した教育でしょう。
 ならば「猫じゃらし」は「エノコログサ」でないとだめなんでしょうかねえ?

『教育とは、知識の伝授ではありません。感動を与えることです。』本当に秀れた教育者はそう言います。

 さて私は「松ぽっくり」が大好きです。そこで散歩の途中でこれが落ちていると、ついつい拾いたくなっちゃいます。 でも家のスペースはもう過飽和。

 なんですか、松ぽっくりを上から見たときの、種の支え部の出方が、「フィボナッチ数列での螺旋」になっているのだそうですね。ほんと?
 話は飛びますが、この松ぽっくりの中にある本体の白い実は、酒の肴にしてもすごくいい! けっこう高級な中華食材。

 ともあれそんな私の好みを知っておられたのでしょうか? 何年か前、埼玉の左方文子さんが、素晴らしい「松ぽっくり」をプレゼントしてくださいました。
 どこの、どういう、など詳しい情報は左方さんも覚えていないとのことでしたが、これを上から見れば、どうしたって「バラの花」の姿です!(その後インターネットで、これはヒマラヤスギの実で、スギという名になっていても松の一種で「松ぽっくり」だと!)

ヒマラヤスギの「松ぽっくり」


 まあこの他に、イタリアで拾った(細長い松ぽっくり)や、地元の祭りで買った(装飾品でのミニ松ぽっくり)など、すごく変化に富んだ「松ぽっくり」のいくつかをご紹介しましょう。ともかく、自然の木ノ実の姿は、実に想像以上にユニークなものなんですね!

中央の、首に飾りを掛けた大きな松ぽっくりは、
近くの農協スーパーの農業祭で買ったもの。はて?
どこの国の松ぽっくりやら? なお、その右下に見え
る、ミニミニサイズの松ぽっくりも、出所不明の奴だ!

松ぽっくりとは関係ないが、バス停で
拾った「プラタナス(すずかけ)の実」
奥の光るのは、友だちの奥さんがこれに
装飾を施した美術品。いいですねえ!!


2018/12/01

何と面白い葉の形

朝顔 昼顔

 下の写真は、近くの中学校のグラウンドのフェンスから飛び出していた、「昼顔」の花と葉です。
 3ヶ月前の頃、散歩の途中で見たもので、あちこちで見た。 なお「昼顔」と「朝顔」は科目は同じだそうで、朝顔の葉も似た形ですが、昼顔の方がぐっと長くてとても面白く見えた。
 そうそう、この「昼顔」の名には、かのフランスの名女優カトリーヌ・ドヌーブの、心をかき乱された名画にこの題名のものがありましたっけ。

 いや、話が逸れました。話題はこの葉の形状で、私には「馬の顔」「キリンの顔」などに見えました。皆さん、そんなふうに見えませんか?
 楽しい自然の造形は、いたるところに在るようです。

近くの中学校の校庭のフェンスで。8月撮影。

 なお(朝)(昼)に続いての「(夕)顔」は、これは「干ぴょう」を採る植物で、まったくの別種のようです。 干ぴょうの海苔巻き、大好きです! 子供っぽいですが。

2018/11/28

ようやく判った!

再開のごあいさつ

 いやー、それにしても3ヶ月も続いた今夏の猛暑、そして超大型の台風と豪雨の連続のものすごさ! 追い討ちをかけての大きな地震、一体この災害の連続は何なのだ! かくて意欲も萎えて、休憩が思わず長くなってしまった。 そしてこんな大災害、世界中で発生しているそうだ!
 増え過ぎた世界人口に対する、地球の自衛防御の行動なのだろうか!? 猛暑や風水害の世界的な連続発生は、氷河期の前触れだと言う学者も居られる。 

 さてようやくにして再開するにつけ、前項では「項の数も100となって、…」と記したが、…パソコンのカウンターで気が付けば、実は前回は(99)でした! つまりこの再開項が100。 皆さんには気にもならない話でしょうが。
 ともかく再開最初の話は、我が「国名」のことです。


Japan(ジャパン)の由来

 NHKテレビの「ネーミング・バラエティー 日本人のおなまえっ!」という、実に勉強になる番組の今年5月の放送で、前に私が「マルコポーロが、日本のことを(ジパング)と呼んだことの由来が判らない。」と思案投げ首になったことにつき、この番組の中で、博識の宮崎美子さんの着眼から始まってその答えを教えられました!
 そうなんです。マルコポーロは日本のことを中国で聞いたわけですから、「日本国」を中国語で発音すると、(ji-pen-quo)だそうで、イタリア人(正確に言うと”ベネチュア共和国人のマルコポーロ)は、それをイタリア語で(ジパング)と書いた、が真相なのだと!
 改めて言うまでもなく、「ジャパン」はそれの英語読みですね。

 ところで私は先の項で、(本)の文字の読み方を(ぽん)(ほん)(ぼん)の3通りで
考え、(日)の文字には(にち)(ひ)の2つしか考えなかったが、…
「本日、昨日、一昨日」などの(日)は(じつ=ji?)の発音がありましたね。…すると、
「今日、昨日、明日」だと(きょ”う”)(きの”う”)(あし”た”)なんていうのがあったりして。 かくて「ジッポン」やら「ウボン」だの「タモト」などとも読めたりして?!
 でもどう考えても「日本」を(ヤマト)とは読めない。そこで加治将一氏の推測、アラム語での(神の民)との発音(ヤーウマト)を、「倭」や「大和」や「日本」まで全てで(ヤマト)と読ませることにしたのでは?!

 さて(ジパング)の謎が解けた、いや解いてもらえたことは、早く言いたかったことではあります。そしてもう一つNHKBSプレミアム6月放送「新日本風土記 沖縄のうた」にて、また別に疑問に思っていたことへの答え、それは沖縄の「月桃」との美しくも不思議なネーミングの植物のことが、初めてその花を見せてもらえて判った!
 写真がそれですが、ああ、この花を見て「月桃」のネーミングの素晴らしさを実感出来ましたし、「正に月の桃だ!」と、その実像のイメージでしっかり納得が出来ました。


NHKBSプレミアム「新日本風土記 沖縄のうた」より。


同じく上記の番組から。この花のつぼみとその形
を「月の桃」に見立てた琉球人のハイセンス!!



「花」が与えてくれる 心のやすらぎ


11月に入って、新鮮に咲き誇っている「ヒメツルソバ」


「ぞうり」のような葉の模様かわいい! 

2018/05/10

ともかく(一区切り)となりました!

1年楽しかった!…しかし

 初めて、始めてみた(ブログ)は1年余を過ぎて、項目数も(100)となって、…ともかく、とてもいい気分です。 正直な話、これにはまあ私の一種の(終活)みたいな思いも感じていますから、だらだらと続けず、あるところですっきりポッキリと終わろうかとも思っています。

 一方、気にしているのは「昔、始まりの物語」の先行きで、とても面白い構想を持っているのですが、まだ書き上がっていないもののことまで宣伝したら、私の幼稚なイマジネーションを笑われるだけだろうと思えば、愚かな試みをこれ以上晒して恥を増すなどしないが良い、と思うことまたしきり。
 がその反面、第一部を公開したことで、自分自身に「これを書き終えたい」との強い念願が生まれたことも確かなようですから、…まあ、やってよかったとは思っています。
 この念願を果たすには、まだ何年も掛かりそうで、するとそれまで頑張りたい意欲も、しっかり持てることになるわけですね。ふっふっふ!

 一方、一人おしゃべりというものは結構根気と体力が必要で、何時間か椅子に座ってキーボードを打ち続けていると、腰が痛くなり、…翌日の散歩の足取りもフラフラしてきてしまいます。 で、もう止めようの思いも起こるのですが…

 でもまあ自分の楽しみとして始めたものであって、そこに息子の嬉しい助けがあってやれたことでもありますから、これ以上に何かとくべつに強い願望があるわけでもないのですね。 自慢話もほとんど(タネ)が尽きたようでもありますしね。はっはっは!

 さて私という存在を、(おりがみ世界)の中で客観視してみますと、多分一本のろうそくほどの光を放つような者と思い、そこに古人や先輩が見落としたような、この世界の片隅に在る未だ知られざる興味の発見を楽しんでいる者とも思い、その楽しみのために、もう少しの間、小さな明かりを灯して探索してみたいの思いもあり、…ともかくもまあ、そんな揺れ動く思案に日を過ごしているわけです。

『お酒はぬるめの燗がいい、…灯りはぼんやりともりゃいい… 阿久悠』
…いやいや、もう少し意欲を出して、…
『まずもろともに 輝く宇宙の微塵となりて 無方の空にちらばろう 宮沢賢治』

 まあまあ、人の一生って、皆おしなべてそれなりに価値有るものなのだと信じます。
 人生いろいろ、思いもいろいろ。一度きりの人生なら、楽しく過ごしたいばかりです。そしてなんだかそのように行けそうな自分の生まれた環境に、感謝している者です。

 はて?この際、もう少しやってみようか? でもここで少し休憩して、いろいろと考えてみることにしようか? 只今大いに迷っているところです。 ファンタジーに没頭したいとの思いも一方にあるわけですし。
 ともあれ、しばしの間お休みします。


6枚組みユニットの「銀河のキューブ」です。

             

2018/05/06

キューブ 1枚折りから6枚組みまで

問題は(5枚ユニット組み)!

 また(キューブ)の話に戻って、これを、(1枚折り)から始めて、ユニットでの(2枚組み)、(3枚組み)、(4枚組み)、…とくふうを進めて、最も一般的なスタイルの
(6枚組み)までを考えたとき、4と6の間にある(5枚組み)というのが、パズルのような印象のものとして、脳内に問い掛けて来ました。そこで…
 さあ、あなたならこの(パズル的な問い掛け)にどう答えますか?

 左は「1枚折り」 中央は「2枚組みの(おりがみサイコロ)」で、
前に「サイコロ、すなわちキューブの魅力」の項で、1、2、3、
の面をお見せしましたが、ここではその裏側の、4、5、6、の面
を出しました。                       
そして右は「3枚組みユニットキューブ」で、実はこれ、小学生の
(算数の教科書)に採用された自慢のキューブなんです!    
左は「4枚組みキューブ」 右は定番の「6枚組みキューブ」
で、この(4)と(6)との間の(5)の思案はいかに?  
 キューブの「面」も「辺」も「頂点」も、その数を5で割ると、
    小数になってしまうでしょう。で、さてどうする?         

私はこのパズル的な問い掛けに、抒情的な造形を思ってみたのです。ともあれ(1枚折り)から(6枚組み)までの「キューブ」の5種の紹介の後で、(5枚組み)の作例を紹介してみます。おっと、それを見る前に、どうぞ皆さんなりに考えてみてください。


私が(5ユニット組み)で着想したものは、こんな
(キューブに"耳”が付いたような形)でした。  
そしてこんな耳付きキューブは…?       
ユニット5枚組みキューブの「ねこ」と「ガマ」。
なお「ガマ」は、別名「歩き出したキューブ」と 
も見立てました。この方がいいかな?      

ユニット5枚組みキューブの「コアラ」です。
ただしこのコアラは、鼻のための(+α)とし
              て、(4分の1の黒い紙)を使用しています。              
なお、これを閉じた形にした場合、キューブの
頂点の一つを押し込んだ形となっていますよ。


教科書に採用されました!

 ある日、甥っ子の娘が中学生になったとき、『おじさんの名前での“おりがみ”が数学の教科書に載っていた!』とて、その子の祖母、そう、妻の妹がコピーを添えた嬉しい便りをくれました。実に嬉しく、そしてとても誇らしい思いにさせられました。
 もちろんこの出版社からの依頼は受けていましたから、知ってはいましたが、身内の子が気付いてくれたことがなんとも嬉しいことでした。

 ところでこの名誉な出来事は平成17年のことですが、これに遡ること10年前の平成7年には、「小学算数4年の教科書」にも私のおりがみが採用されました。
 このどちらも、私の本を見てくれた執筆の先生方のどなたかが選んでくれたようです。
巻末の(綴じ込み)で紹介されています。

 そして実に嬉しいことに、どちらも採用されたのは「キューブ」でした。ともあれ自慢の鼻高々に、その両方の教科書を写真紹介します。

平成17年発行の、中学生の数学の教科書(東京書籍)

平成7年の小学生の算数の教科書(大阪書籍)
ここでの右上にある「3枚組みキューブ」が、
上に写真紹介したものです。 なおこのユニッ
トは、裏側を外にしても組め、その場合は、模
様が現れます。              
キューブの(規定)なんか越えて楽しむ!

厳密な規定からは、こういうのを「キューブ」と
呼ぶことはいけない!…先生方からは叱られるか
も知れませんが、おりがみ遊びではこんな形も皆
「キューブ」です! すなわち左は「2枚組みの、
切子型キューブ」、右は「3枚組みの“筆立て”型
キューブ」です!              
なおどちらも、ちゃんとした「キューブ」とも出
来ますが、それでは面白くありませんよね。  
後ろの二つは、「やっこさん」の形からの発展で、
やっこさんを(ユニット化)して、その6枚組み。
 左は「面取りキューブ」、右は「くす玉キューブ」、
そして手前のものは「織り紙キューブ」と名付けて
みました。いずれもおりがみ遊びであって、教材で
           はありませんので、すべて「キューブ」の名で呼ぶ。          
 つまり私のライフワークとは、遊びとしての自由気 
 ままな追求なんですよ。             
「“正4面体”をハグする6枚組み、角切りキューブ」


2018/05/02

久しぶりに「ミニチュア・ボックス」

今回は、7つの紹介

 キューブの話が続きましたが、ここいらでまた「ミニチュア・ボックス」を開けてみたくなりました! おやまあ、大層な言い方のようですが、…でも実際のところ、これは私の情熱の結実と言えるものなんです。
 そうです! 私の「グリコのおまけ的なおりがみ作品」たちなのです!

今年の(干支)から「日本犬」と「プードル犬」

面壁九年の「だるまさん」

「オバマさんのおりづる」の項で、
「新・巣篭もり鶴」というのを紹介
しました。(新)に対して(旧)
に当たるのがこれ。      
 なお鶴の台座は、(2枚組みユニッ
  ト)での「切子型キューブ」です。 

伝承の「こうもり(切り込み)」を
同じ切り込み方で「コアラ」にして
   みたくふうです。気に入っています。

この「袋鼠=カンガルー」の作例
については、ユーモラスな折り方
がいくつか記録されているようで
すが、私はこんな解答をしてみた
という例です。        
詳しくは、「おりがみ新発見3 
 日貿出版社 2005年刊」を。 
        
        
南アフリカのマーガレット・キャンベル
(Margaret.W.Campbell)さんの「Paper Toy
 Making=紙のおもちゃ作り」の中にあった
「馬と乗り手」という作品です。    
 馬は(お三方)から、乗り手は(奴さん)
からの折り変えです。実に面白い見立て変
              え例ですね。こういうのは大好きです。               

なお上記の貴重な資料は、九州の同志であ
  る、堤  政継さんから戴きました。感謝。 

岡村昌夫先生が解明の糸口を
付けてくださった造形に、私
なりの解答を試みた「狐の嫁
 入り」です。楽しい思案です。

なおこの造形の出典は、谷中
に本店がある江戸千代紙の老
 舗「いせ辰」の千代紙絵だと。

2018/04/28

キューブの(化石)?

地殻変動を受けたキューブ!

 ある日のこと、とても奇妙な話を、はるか空の彼方からの声として聞きました! 
 それは、…『縄文人は(おりがみ、いえ、“折り葉遊び”)を知っていて、5000年前の頃、大きな木の葉を四角に切って、なんと!「キューブ」を折っていたよ。』という話なのです!

 続いて、『その縄文人が折ったキューブが、風に飛ばされて泥の中に落ち、…それが泥に埋もれ続け、なんと5千年の後に発見されたが、相次ぐ地殻変動からそれはねじられた形の(化石)となって掘り出されたよ。』…とまあ、そんな幼稚なヨタ話は置いておくとして、…でもそんな話を彷彿とさせる造形を得たので、ご紹介しましょう。

 ところで(縄文人)は、支配欲とか権力欲など夢にも欲しなかった故に、1万年の平穏を保てたのでしょう。ところが、縄文人には無縁のそんな欲望の大襲来に、多くは巻き込まれてしまったのでしょう。

 けれど、そんな欲望の襲来から身をかわし、自然への畏敬のみを縁(よすが)として、平穏を望む一部の人々は、北の大地や南の島や、中央の山連なる地や、東北の雪も緑も深き地などに去って行った、というのが私の心に思い浮かべられる情景です。

 そんな妄想から、…今現代社会に属して生きる私たちの多くは、(弥生人)の末裔なのだろうとも思えます。 それ故に様々な欲望に苛まれて生きています。 黙っていれば、また服装の違いなどを見なければ、アジア人は外見はよく似ていて、一瞥して「◯◯人」と識別出来ませんよね。…ということは、同じアジア人である韓国、朝鮮や中国の人たちとの摩擦は(身内の諍い)ということになるように思われてしまう!?

 いえもっと視野を広げれば、歴史の秘密を追求する作家、加治将一(かじ まさかず)氏の慧眼にては、血脈は遠く西方に在った「エデンの園」まで繋がるかも知れない?!

 ならば昔テレビコマーシャルでよく聞いた気がする、『世界は一家、人類はみな兄弟』
の言葉に真実を見るように思えます! おっとこの後に続く言葉は『さあ、みんな仲良くしましょう。』だった? なんのコマーシャルだったかは忘れましたが、確か笹川良一という(競艇)に関係する不思議な人物の言葉だったような記憶ですが、この人物がどんな人であれ、上記の言葉には、縄文人的な希望の良き香りを感じましたよ!

 歴史の真実って、縄文人の末裔でありたい!と望む私などからは、妄想のそのまた妄想でしか想像できませんから、まるで何も見えないのと同じ。 しかし、そのように“見えない”ことこそ幸いなのかも知れません。


「キューブの化石」と題したオブジェ作例。
なお下の台座は、シルバー矩形の紙からの
作例で、(「玉手箱」諸形)の項でご紹介
 したものです。中心部に飾りピンが差せて、
 ほら!(飾り台)としていい感じでしょっ。

河合豊彰さんの思い出

 私の(個人史)の話の中で、学生から社会人に成り立てまでの青年時代、「河合豊彰という先輩の“追っかけ”をした。」との話をしましたが、ある日河合さんにお会いしているとき、『先日、岡本太郎さんと美術雑誌のための対談をしたときにね、私に「あんたはすごいよ。1枚の紙でなんでも表現しちゃうんだから!」と、褒めてもらったのよ。』とおっしゃいました。

 さて近頃、大阪万博の「太陽の塔」がその内部展示物を復活させ、新たに公開されることとなり、岡本太郎さんの深いメッセージがまた話題になって、それで河合さんのことも思い出されたのですが、…河合さんは(おりがみの)というジャンルを大いに開拓された方でして、「マスクのカワイ」がよく知られた呼称でした。

 そして岡本太郎という芸術家の情熱は、「縄文人の心の復活」を叫ぶことに向かい、…そしてそのことから、古代人や自然の中で暮らす人々の、(降神)のための手段でもある「面」というものにも多大の関心を寄せられ、…そんな視点から河合さんへも評価を向けられたのでしょう。
 縄文人、面、岡本太郎さん、河合豊彰さん、…なんだか(ああ、我が意を得たり!)と思えるこの頃です。 

2018/04/24

また一つ見付けた!

6番目?の「玉手箱」

 先の(「玉手箱」諸形)の項では、5種類の「玉手箱」をご紹介しましたが、このほど6番目のものを見付けましたので、ここにそれをご紹介します。

これは(4ユニット組み)の「キューブ」です。
写真の右にある(立体ユニット)を4つ組んで作り
  ます。その組み方は少々(パズル的)で面白いですよ。

 実を言いますと、ここで紹介しております(立体ユニット)は、ずっと以前に見付けて
いたものなんですが、先日これを改めていじっている中で、「あっ、これ(玉手箱)になるかも知れないぞ!」と気付き、そして手にしたものでした。
 ともあれ皆さんも下の図解にて、どうぞやってみてください。なお、この玉手箱は、外観だけを写したものですから、開けたり閉じたりは出来ません。 開けたらバラバラ!
 でも…?!

(立体ユニット)という新しいくふうのものです。
これを(4つ)作って「キューブ」に組んでください。

時期はすっかり遅れましたが、「椿のキューブ」です。


「玉手箱の諸形」の項で(4番目)の
ものとしてご紹介した「(5等分折り)
での「1枚折り“玉手箱”」は、その組み
の力が弱くて、上部が広がってしまうと
 の弱点を明かしました。        

しかしその(弱点)を発展的に捉えて、
写真のように「椿キューブ」にしてみま
した。逆転の発想というやつですね? 

上記した(立体ユニット)を「葉」とし
              として包み込むと、ほら!いいでしょう。             
つまりこうすると、ここでの作例もまと
       まって安定するわけです。