2017/04/03

図形パズル

おりがみパズル発見!

 ある日一人で喫茶店でのんびりぼんやりと考えていたときです。…片面だけに色がプリントされ、裏面は白のおりがみ用紙を(きっちりと目安をとって折って)、裏の白を色の面で(過不足なく覆い隠し)、そのそれぞれの形が異なるといった折り方が(4種)在るということに突然気付きました! これは膝を打つ喜びの発見でした。(今から40年近く前の話です。今は、…2016年に書いています。)

 そこでその頃お付き合いが始まっていた、阿部恒氏とおっしゃる炯眼の士で、私の(数理)の面の蒙を啓いてくださることになる先輩に、早速その発見をお伝えしました。
 ところでこのすぐ後のこと、幼稚園教育の創始者、ドイツのフレーベルの論文の中に、おりがみの基本の折りで、1.向かい合う辺と辺を合わせて折る(1:2の長方形)と、2.対角を合わせて折る(直角2等辺3角形)、そして3.正方形の用紙の中心に4つのかどを折り集めた(正方形=ざぶとん折り)の3種は、それぞれ形は違っても、用紙のきっちり(2分の1=半分)で、等しい大きさ(面積)であることを、幼児に教えなさい。とありました。 おっ!私はフレーベルより一つ多くの(2分の1形)を見付けた!
 そして、今にして思えばそれは私の最初の “おりがみ数理パズル” となりました。

■おりがみパズル第1号
「正方形のおりがみをきっちり折って、用紙の“2分の1”の面積の(5角形)を作れ。」

 フレーベルという人は、 “3” という数がお好きのように思えます。勝手な想像ですが、敬虔なクリスチャンだったからでしょうか、もしかすると「父と子と聖霊、との唯一神の三つの位格(ペルソナ)」に従ったのでしょうか。幼稚園教材の「積み木」も、「3体→球、円柱、立方体」と規定しています。だからおりがみ半分形も3つにしたのか知らん?私はここに欠けている “母” を加えての4です?
 話が外れてしまいました。パズルの話に戻り、前掲の(2分の1の“5角形”)という問題は、パズルの要点である(心理の盲点)を突いたもので、…(5角形)という言葉を聞いた人の脳裏には(正5角形)が思い浮かんでいると思うからです。
 つまり解答は、野球の(ホームベース)のような5角形です。…と言えばもうお判りになりますね。
 ところで先年、このパズル第1号の(最新バージョン)を見付けました。第1号の(2分の1の5角形)を正確に折るには、(4回の折り)が必要でした。が、最新バージョンでは、―

■「(1折り半)で用紙の2分の1の面積の5角形を作れ。」

  ここで“半”とは、印を付けるという意味とします。そしてこれも心理の盲点を突いております。判りますか?



おりがみは、パズルの王様

 おりがみの中にはパズル的要素がいっぱい在ります。と言うより「おりがみってパズルの王様だと言える!」…今の私はそんなふうに考えています。

 ちょっと皆さんも考えてみてください。「2本の足と、大きく広げた羽。そして尾羽もしっかりと持つ(鳥の姿)を、1枚の紙から折り出すには?」こんな思いを持ったら、…それに答えようと思ったら、…それって正にパズルでしょう!

 さて私がおりがみに熱中し始めた頃は、こんなパズル的な面にひかれ、なんとかその答えを得たいと思ったわけです。そしてそんな思いを抱いた発端は、そんなパズルにびっくりするような解答を示してくれた二人の先輩の存在を知ったことに因ります。吉澤章氏と内山興正(こうしょう)師でした。そしてこのお二人の大先輩が、パズルを解く鍵の一つとして教示されたのが(基礎折りー吉澤氏)≒(基本形ー内山師)でした。また吉澤氏には(複合)とか(正方形以外の用紙形)という処方も、ちらっとではありますが示しておられました。

 一方、初級用として(切り込み)という手法も、お二人揃って示しておられましたが、私にはお二人共なぜか(消極的)な気配のあるように感じられました。
 さてこのお二人の大先輩を知った少し後、年齢的にはお二人より先輩の本多功氏の著書に図書館で出会い、(切り込み)と(複合)という技法を積極的に採用されることで、楽々とパズルに解答を与えておられるのを知りました。

 しかしやがて、おりがみが海外の人々の興味を喚起し、アメリカにイギリスにと愛好者のサークルが結成されるようになりますと、…内山興正師が具体的な表現で説かれた「不切正方形1枚折り」が、最上の理想として掲げられ、それ以外の解答はランクを下げられたようです。そして今もこの理想論は一部で堅固に信奉されています。(パズルならランクの高低が有って当然。でもパズル以外ではどうか?)

 ところでこの後、私は千野利雄氏、伊東万耀氏のお二人の真の芸術家の先生と巡り会え、その実践作例の、えも言われぬ(造形美)に感激させられました。お二人共、パズル的な理想論などには拘らず、(複合)も自由に採用されておられましたし、千野先生は(切る、やぶる)などの手法にも積極的でした!

そしてそこから私はパズルへの興味を離れて、おりがみならではの(象徴的な造形)を考えるようになって行くのですが、…今はパズルの話に戻ります。…おりがみに熱中して、12,3年経った頃でした。それまでとはまったく異なるパズルの存在に思い至るのでした。

非対称の「シオマネキ」のくふうは、パズルそのもの

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