おりがみのことをパズルに譬えて語ってきました。がその一方、造形美術として探求する思いもあることを、先に述べました。
千野利雄、伊東万耀というお二人の先生が、作品として示されたものから教わったことです。
さて、精緻な造形、象徴的な造形、思い切りディフォルメしたシンプルな造形、…一口に造形美術と言っても、そこには様々なスタイルがありますね。しかしここですべてに共通する要素として挙げられるのは、…たとえば「象」であれ「大鷲」であれ「くじら」であれ、はたまた「恐竜」であっても、(手の上に乗せて眺め楽しめる)ことです。
つまりそれは(ミニチュアの魅力)です。…さて話はよくとびますが、私は少年の頃からグリコの(おまけ)のファンでした。私の少年の頃のそれは、確か亜鉛ダイカストの汽車や、ブリキを打ち抜いて作ったおもちゃなどだったように記憶していますが、…ともかく小さい中にもごまかしが無く、いずれにも心をときめかせられたものでした。そしてそれはやがてプラスチック製のものとなり、ますます魅力的なものになりました。
やがて、グリコのおまけのような(ミニチュア玩具)は、それをプラスチックのカプセルに入れて、コイン投入で販売する(ガチャガチャ)が登場し、私は息子をダシにしてよく買いました。10円の頃からのファンです。それが今は200円で、多分コンピューターによる(型)で作られたものでしょう。きわめて精密な造形のものとなったようで、…そこに時代の急速な変化を感じます。(紙での印刷本から、電子出版の時代へ。…そんな時代変遷の証ですね!)
グリコのおまけの、働く自動車たちを(おりがみの道路)に飾ってみました。 |
さて今は、コンピューターを使っての(超精密な造形の1枚折りおりがみ)が、内外の名人によって続々と発表される時代になりました.古い私には、それらはただただ驚きのもので、眺めるだけで満足ですが、…私にはここで、おりがみとミニチュアおもちゃとの共通性も覚えたことでした。
でも一方で、「おりがみとは、復元を楽しむもの。」とのかつての私の主張は、もうカビの生えたものとなったかも知れないと思えば、いささか切なくもあります。
私の(グリコのおまけ)や(ガチャガチャのおもちゃ)のコレクションは、遊びに来てくれる孫たちにも人気で、何時間もそれらで遊んでくれます。孫たちが帰った後、それらを改めて眺め、…私のおりがみは、千野先生が教えてくださったように、「1辺が15センチの、ごく一般的なおりがみで折れて、だれでも復元して手の上に乗せて眺められるようなもの」…それが「我がおりがみの理想」だと確信させられるのですが、そんな感情はもはや郷愁といったもののようですね。
まあ、皮肉っぽい言い方など止めて、私の(ミニチュア・コレクション)のあれこれを、これから折を見て、おりがみ作品と共に童心を込めて展覧させてもらいましょう。
ガチャガチャの精巧なおもちゃピストル |
これもガチャガチャのマシンガン でもおもちゃっぽい |
グリコ ラーメン屋台 |
グリコ 三輪車 |
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